南極物語で犬置き去り理由 (1)


2022年2月2日放送、TBS系列「ワールド極限ミステリー」
21:00 〜 22:57




「南極物語」2頭の犬・タローとジローが極寒を生き抜いた謎について特集。
南極物語のタロとジロに関して、この物語は人間側から見れば美談であるが、犬の立場から見れば、人間が置いていったために起きた悲劇であり、日本初の南極観測隊に同行したカラフト犬のタロとジロは、経験豊富なリーダー犬のリキ(鎖から脱出するが第3次隊到着前に死亡)に助けられてクジラの死骸やデポの食料で食いつないでいた。




南極物語製作当時、まだこの説はなかったか有力ではなかったが、リキについては偶然にもそれに近い描写がされている。


今回は、リキについて特集されるので、南極物語の概要についてまとめてみた。





■目次

南極物語とは
南極物語で犬置き去りした理由
南極物語タロとジロのその後


南極物語とは


南極物語で犬置き去り理由 (2)




『南極物語』とは、1983年の南極観測隊の苦難とそり犬たちの実話を元に作られた映画。


南極大陸に残された兄弟犬タロとジロと越冬隊員が1年後に再会する実話を元に創作を交え、北極ロケを中心に少人数での南極ロケも実施し、撮影期間3年余をかけ描いた。


あらすじ



1956年(昭和31年)文部省の南極観測隊第1次越冬隊が、海上保安庁の運航する南極観測船「宗谷」に乗り南極大陸へ赴いた。1年以上にわたる南極生活の中で、隊員たちは様々なトラブルや経験に出くわす。



1958年(昭和33年)2月を迎え、第2次越冬隊と引継ぎ交代するため再び「宗谷」で南極大陸へ赴いたが、「宗谷」側は長期にわたる悪天候のために南極への上陸・越冬断念を決定する。その撤退の過程で、第1次越冬隊の樺太犬15頭を、無人の昭和基地に置き去りにせざるを得なくなった。


極寒の地に餌もなく残された15頭の犬の運命、犬係だった2人の越冬隊員の苦悩、そして1年後に再開された第3次南極観測隊に再び志願してやってきた隊員の両者が、南極で兄弟犬タロとジロに再会する。



参照wiki




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南極物語で犬置き去りした理由





実話を元に製作された南極物語で、タロとジロを含む15頭の犬たちは、極寒の南極で餌もなく鎖をつながれたまま置き去りにされた。




なぜ、犬を置き去りしたのか?


その理由はwikiにも書かれているが、第1次観測隊が帰還して、第2次観測隊を送ろうとしたら、天候などの関係で迎えに行けず、結果、人命の安全を優先していかなかったそうだ。



なので、結果的に犬たちは置き去りにされたという形になる。


南極物語の作中には、第1次観測隊の高倉健が帰還する飛行機で、第2次観測隊が来ないことを知り、小袋に入れていた瓶を取り出して、「置き去りにするくらいなら自分が飛行機で飛んで行って、彼らを〇してきます」というシーンががある。



TVドラマのリメイク版でも、高倉健と同じ役どころのキムタクがやはり毒薬入りの瓶を示すシーンがあるが、南極で犬たちと一緒に死ぬつもりだと察した越冬隊長(モデルは西堀栄三郎先生。ドラマでは香川照之が演じている)がキムタクを張り倒して制止した、と言う展開になっている。



実話でも実際に観測地の居残りを申し出た隊員もいたそうだが、文部省(当時)の許可がおりなかったそうだ。



このあたりは「南極越冬記」(西堀栄三郎、岩波新書)や「ニッポン南極観測隊人間ドラマ50年」(小野延雄、柴田鉄治,丸善株式会社)に記載があるので「犬を置き去りにしたことを後悔している」描写がある。




経緯はともかく、折り返し第二次観測隊のメンバーが来る予定だったのが、それが来なかったために、国に帰ってから「犬を見殺しにしてきた」と世論の大非難を浴びた。



当時は、動物愛護もそれほど騒がれていない(昭和34年)時代なのに、マスコミからもかなり批判をうけたそうだ。



その反動が、タロ・ジロが生還したことへの感動へと繋がっている。





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南極物語タロとジロのその後





南極物語タロとジロのその後は、南極物語の作中でも描かれているが、置き去りにしてから一年後に、南極に再度行く前に、日本では犬を置き去りにしてきた事が大きく叩かれて、犬の慰霊祭を行った。




実際にその慰霊祭では一頭一頭、名前を呼んでお別れをする予定だったが、その隊長がなぜか二頭の名前が出てこなくて、かなり焦った様子が映像として残っている。結局13頭の名前だけを呼んで式典は終わったが、慰霊祭の主役である犬の名前を忘れるなんてあり得ない事。


実は、その思い出せなかった二頭はそれこそタロとジロだった。



結局、呼ばれなかったタロとジロは生きていた。「慰霊なんて不要!僕たちは生きているよ!」と、二頭の南極からの心の叫びが伝わったのか、タロとジロと再会を果たす。



しかし、南極物語は、人間の都合で犬を連れていって、人間の都合で犬を置き去りにしただけなので、美談でもなんでもない。




タロとジロのその後は、タロは北海道に戻り子孫を残している。

死後剥製になり、北海道大学植物園に展示されている。一方、ジロは、感動の再会後に南極で死に、氷に埋められて1年間保管された後に日本に運ばれて剥製になり、国立科学博物館(上野)で展示されている。

南極物語で犬置き去り理由



おかしなことに展示では「樺太犬」としか書いておらず、「南極物語のジロ」など特筆もないことから、見学をしている多くの人は南極物語のあのジロとは気がつかず、皆素通りしてしまっているそうだ。


無人の南極でたくましく生き抜いたというニュースが世界に伝えられた時には、世界中の人々を驚かせたそのに、今ならネットが隊員たちを自〇に追い込むほど叩かれているかもしれない。







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