紅の豚ポルコなぜ豚に (4)


2022年1月14日放送、日本テレビ系・金曜ロードショー「紅の豚」
21:00 〜 22:54




宮崎駿監督珠玉の名作「紅の豚」が放送。
豚になったパイロット・ポルコは、ビジュアル的にもカッコよくはない。なので、実は映画公開前からあまり人気はなかった(確か興行収入は約50億で、もののけ姫の200億には遠く及ばない)




当時は、その奇妙な豚のリアリティな人間模様に、ラピュタのように美的で壮大な冒険浪漫を感じられなかったのだろう。正直「魔女の宅急便」(1989)や「紅の豚」(1992)辺りの頃は、ちょっと大人向う受けが目立つようになっていた。



今となっては、あまり驚かないが、「紅の豚」は公に宮崎駿監督が「監督引退宣言」を初めて行った作品。



それまでとは格段に違って露出も減り「本気でやめるつもりなんだ」と感じた人は、かなり多かったはず。ちなみに公開当時、アニメ界隈では庵野秀明監督の『新世紀エヴァンゲリオン』が超話題になっていたこともあり、新旧アニメ対決的な盛り上がりもあった。



今回は、5chによる紅の豚の検証、ポルコなぜ豚になったかなどの考察についてまとめてみた。



■目次

紅の豚とは
紅の豚ポルコなぜ豚になったのか?
紅の豚ポルコのその後は人間になった?

紅の豚とは


紅の豚ポルコなぜ豚に (1)


『紅の豚』は、1992年にスタジオジブリで制作された日本の長編アニメ映画。
前作の『魔女の宅急便』に続いて劇場用アニメ映画の興行成績日本記録を更新した。 この作品以降、スタジオジブリ映画における宮崎駿監督作品は全て東宝系での公開となった。


参照wiki





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紅の豚ポルコなぜ豚になったのか?



紅の豚ポルコなぜ豚に (1)



紅の豚の登場するポルコは、なぜ豚になったか?について、宮崎監督はその理由を劇中でもハッキリさせていない。



なので、ネットでの考察では、「ポルコは戦争で多くの人を〇し、そして多くの友人を失いながら自分だけおめおめと生き残って帰ってきた罰を自らに科すため、自分に呪いをかけた、もしくは呪われた」と予想されている。



ちなみに岡田斗司夫氏による考察では、「ポルコは自分で豚を選んでいる」「ポルコは人間になるほど落ちぶれちゃいない」というセリフから、自ら望んで豚になったことを説明している。



また、物理的に呪いに関わったわけではなく、共産主義への嫌悪感が豚に変えた。

当時、「イタリア国民」なら兵役は免れないが、「イタリアに居る豚」なら軍隊に入隊しなくても良い。


第1次大戦で大切な友人を目の前で失ったポルコは、「〇し合うことを二度と繰り返したくない」と強く願った。



具体的な手法は描かれていないが、ポルコは戦争に行って友達を含めた多くの死を経験し(回想のシーンはいわゆる臨死体験。死にかけた人間だけが垣間見る死後の世界)結局ポルコは、その世界に行けずこの世に戻ったが、戦争に傷ついたポルコは豚になった。


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しかし、イタリア政府からしてみれば、兵役拒否されたことには変わりはなく、むしろ「豚」であるポルコを人道的に扱う必要はないとして〇しにかかってきた。それで親友のフェラーリンは「やつら(政府)は豚を裁判にかけるつもりはない」と、注意を促している。




なので、ポルコの共産主義者、人間に対しての「見限り」が自身の姿を豚に変えた。




「ポルコ・ロッソ」とは「赤い豚」という意味。
この紅の豚は、ムッソリーニ政権下のイタリアが舞台で、当時「赤」は共産主義を意味する色であり、「豚」は劇中のセリフにあるように「退廃思想、破廉恥で怠惰」な存在の象徴とされていた。



すなわち、ポルコは国家権力側が忌み嫌う「赤い豚」、ということで「反国家・反権力」の側の人物である、ということを表している。



また、叶精二著「宮崎駿全書」には、作品の背景や製作サイドからの裏話など、かなり詳細に書かれている。



管理人も読んだが、そこから多少抜粋してみると、紅の豚のマルコ(ポルコの人間の時の名前)が共産主義者といわれるのは、モデルとなった宮崎駿監督自身がかつて社会主義に傾倒していたことから。また、元々舞台も具体的に旧ユーゴスラビア領とされていたものが、当時のユーゴ内戦や、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の影響で、アドリア海のどこかというあいまいな設定になったそうだ。



これらの戦乱の影響で、元々航空機内限定上映として企画された30分程度の飛行機が大活躍する明るい活劇短編だったはずの紅の豚に無理やり設定を付け加えたので、 ポルコがなぜ豚になったのか、など詳しい説明が省かれているのかもしれない。







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紅の豚ポルコのその後は人間になった?




紅の豚ポルコなぜ豚に (3)



紅の豚の舞台は、1920~30年代のイタリア~ユーゴスラヴィアのアドリア海周辺。
当時のイタリアは、第一次大戦で戦勝国になったにもかかわらず極端なインフレで経済が破綻し、その混乱の中からファシズム政党が台頭しつつあった。



当時のイタリア王室や軍部、教皇は共産主義勢力の台頭を恐れてファシズム政党と提携したため、一層その勢力を確たるものになっていた。


教皇庁とファシスト政府が結んだラテラノ協定は1929年なので、映画の中でポルコを追い回している連中はファシズム政党のメンバーなのだが、彼らのバックには教皇と王室と軍部と大衆という凄まじい勢力がいる。



そんな、ポルコはその後は人間にもどってどうなったのか?



ポルコが豚の姿をしているのは「人間に嫌気がさして自分に魔法をかけた」からだが、人間に戻ってしまったのは、フィオとキスしたことで、その魔法が解けてしまった。

紅の豚ポルコなぜ豚に (2)




ということは、フィオと一緒にいる時は「軍隊のこと」、「戦争のこと」「人間の嫌な部分」を忘れられた。



ちなみに、宮崎監督は「十日くらいしたらまたすぐ人間に戻っちゃうかも(笑)」と後日談のインタビュー記事で語っていたので、その後、再び豚に戻っちゃったなんて説もある。



「飛行艇時代」という紅の豚専用の本の中で、宮崎監督はインタビューで、「ポルコがジーナの4番目の亭主になった」と明言している。戦時中にポルコが載っていた戦闘機の機体番号が「4」で、その時死んだベルリーニ(ジーナの最初の亭主)の機体番号は「1」。この番号はジーナの夫になる人の順番を示していた。


なので、人間になったポルコはその後、ジーナと結婚している。



また、映画本編ではカットになった場面だが、ポルコのその後の画像が本には掲載されている。パイロットスーツで隠れて顔は見えないが、ただ太っているようには見えにくいので、もしかすると人間の姿に戻ったまま人生を送っていたのではないか?と検証する人も多い。







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